傷ついた者たちが、ほんの少しだけ前を向いて小さな一歩を踏み出す。そんな、ささ やかだけれど輝かしい一瞬を描く本作。『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』などで知られる佐藤泰 志が、函館ではなく関東近郊を舞台に描いた短編小説を、同2作を手掛けた高田亮が脚本化。そして監督を努 めたのは高田の助監督時代からの盟友であり、近年『アルプススタンドのはしの方』などの作品で高い評価を 獲得する鬼才・城定秀夫。魅力的な布陣で描かれた世界観は徹底して優しく、そして美しい。内に秘めた破壊 衝動と葛藤する売れない小説家の主人公・慎一を演じるのは『あの頃、君を追いかけた』『東京リベンジャー ズ』『燃えよ剣』など多彩な役柄で観客を魅了してきた若手実力派俳優・山田裕貴。離婚を機に、息子ととも に慎一のもとに身を寄せるヒロイン・裕子を演じるのは、近年、内田英治(『ミッドナイトスワン』)やタナダ ユキ(『ロマンスドール』)といった名だたるクリエイターとの仕事が続く、演技派女優・松本まりか。共に傷 つき、他者との深い関わりを避けて生きようとあがく生身の人間の姿を、静謐かつ鮮烈な熱演でスクリーンに 焼き付けている。
城定秀夫
⾼⽥亮
⼭⽥裕貴、松本まりか、中村ゆりか、カトウシンスケ、加治将樹、藤⽥朋⼦
配給:クロックワークス
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